ミ來地区

いつも流されている。


流されているというと楽をしているように思われるが、
流れというのはひとつではない。


ものすごく大きな流れのわきに、数々の傍流がうずまいている。
その中から、どの流れが自分に合っているのかを見定める。


当たり前のことだが、
ものすごく大きな流れはまず自分には合わない。


そこから逃れるだけでもかなりの力を使ってしまう。


ぴったりサイズのシャツを選ぶのはそのあとだ。


空高く打ち上げられることもなく、
重力に押されて地面に落ちることもなく、
どこか遠くへ吹き飛ばされることもなく、
ただそこでうまく浮かんでいられる風船のように、


いつも懸命に流されている。

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(at MOMAT)

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ときどきふいに繰り返し、頭をよぎるフレーズがある。
たとえば、「連続する球体」。

連続する球体とはなにを指すのかよく、
わからないけどたぶんタイヤやサッカーボールというよりも、
天体や世界に近いものかと思われる。

それらが螺旋のように重なって、それでいてひと繋がりではないらしい。

連続する球体がなにをするものなのかよく、
わからないけどたぶん、
なにもしなそうな気がする。

発音の湖に浮かぶ意味のようにただそこに置いてある。

ただそこに連なっている。

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（at MOMAT）

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7月4日は暑かった。

受験票に貼る写真を撮るために証明写真機を探しまわったけど、見つからなくて結局秋葉原まで行って撮った。
悪態をついた。

岩本町から都営線に乗り、神保町でエレガントに乗り換えて目的地の西巣鴨に着いたら、改札を出たところに証明写真機があった。
こんなにひねくれた存在は久しぶりに見る。
なんだか親近感が沸く。

試験会場の大学の建物は新しくきれいでお金がありそうだった。
試験は終了30分前に全て解いたところで退出する。
見直しする気力がなかったので、氏名と受験番号だけを確認した。
名前があれば生きていける。
名前を変えても生きていけるが。

人間の子どもを放し飼いする施設であるところのマクドナルドにて、DSでポケモンをダウンロードするキッズの脇をすり抜けてソルトレモンのサンドイッチを食べた。
オイルを使いすぎでまるで機械化人間の食べ物のようだ。
サンプルにもらったチキンは持って帰るつもりだったけど、あやまってゴミと一緒に捨ててしまった。
子どもをかわすことに集中しすぎたのである。

都バスのルートを逆走して巣鴨駅まで歩いてみた。
解放感も達成感もないが試験は終わった。

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